
病院勤務の理学療法士(経験8年目)。『理学療法士が自分らしく働く』をコンセプトにNICOJOBを運営。信頼できる情報発信を心がけています。
〉Twitter(@nicofamily25)
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理学療法士はオワコンと聞きました。将来性が不安です。何か対策しておくことはありますか?
こんな悩みにお答えします。
国家資格で安定した就業が望める理学療法士のはすが・・・
ここ10年は毎年1万人前後の新しい理学療法士が誕生しており飽和状態なんて話をよく聞きますよね。
結論としては、必要以上に将来を悲観する必要はありません。
「PTとして一定の知識を持ち、業界市場の流動性にアンテナを張っておけば問題ない」
というのが個人的な見解です。
そこで本記事では、なぜPT業界の将来性を悲観する必要がないといえるのかについてデータとともに解説します。
この記事を読んでPT業界の現状を知り、これからのキャリア形成に役に立ててください。
理学療法士は本当にオワコン?
理学療法士の数は年々増加傾向にあり、このままでは需要がなくなるのではないかと心配している人もいるでしょう。
結論から言うと、現状では求人数自体は一定に保たれており過度に心配する必要はありません。
ただし、就職先の地域や施設形態によっては飽和状態になりつつあるのも事実でしょう。
ここではPT業界の市場動向についてデータとともに解説します。※一個人の見解としてお楽しみください。
2019年4月に『理学療法士・作業療法士需給分科会』が実施され、PT業界の将来性について議論が行われました。
この分科会の中では、
などの議論が行われました。
この中で話題になったのが需要供給問題。
話題になった実際のデータがこちらです。
現時点でも需要<供給。このままPTが増え続けると、2040年には供給が需要の1.5倍?!
やばい!PTオワコン!となったわけです。
しかし、このデータにいくつかの疑問点が湧きます。
理学療法士国家資格保有者の全体推移をみていきます。
2022年の新規PT国家試験合格者数は10,096人でした。
PTの数は毎年1万人強増え続け、ここ10年で2倍以上になっています。
理学療法士・作業療法士需給分科会の議論ではこの問題を受け、養成校の質を強化し計画的な人員養成を進めると方針を掲げました。
このまま毎年1万人強のPT輩出には、歯止めがかかりそう。
現代の少子化問題もあり、グラフ通りにPTの数が増え続けるのは考えにくいです。
次に理学療法士の有効求人倍率もみてみましょう。
この数字を見ても分かるように、現時点では他職種に比べ大きく就業しやすい状況にあります。
これからもこの傾向がすぐに変化することはないでしょう。
必要以上に需要不足を心配する必要はなさそう。
つづいて、都道府県別のPT数について見ていきます。
グラフをみると、人口10万にあたりのPT数は都道府県により偏りがみられます。
四国・九州地方で働くPTは、他地域に比べ供給過多が問題になってきそうです。
関東・関西圏はまだ余裕がありそう。
PTの就職先形態についても見ていきます。
就業先 | 人数(人) | 割合 |
---|---|---|
病院 | 73,947 | 56.9% |
クリニック | 10,481 | 8.1% |
医療福祉施設 | 8,501 | 6.5% |
老人福祉施設 | 2097 | 1.6% |
介護保険法関連施設(地域包括支援センター等) | 700 | 0.5% |
身体障害者福祉施設 | 218 | 0.2% |
児童福祉施設 | 818 | 0.6% |
障害者施設 | 124 | 0.1% |
教育・研究施設 | 2,784 | 2.1% |
行政関係施設 | 378 | 0.3% |
健康産業(スポーツ、フィットネス等) | 99 | 0.1% |
その他(一般企業等) | 3449 | 2.7% |
現状として、PTの就職先の8割が病院またはクリニックとなります。
近年の超高齢化社会の流れから、介護福祉施設で働くPTは増加傾向です。
特に、訪問看護・訪問リハ・デイサービスの伸び率が高め。
しかし、現状としてはまだ全体の13%程度。
介護領域で活躍するPTはまだまだ不足しているね。
また、フィットネス関連、一般企業でもPTの就業がありますが、実際にはまだ数がそこまで多くありません。
以上をまとめてみると・・・
これらの理由から、PTの飽和問題は過度に心配する必要はないと考えます。
しかし、これからも求められるPTであり続けるために考えておいた方が良いことはあります。
今後も必要とされる理学療法士になるためには求められるものは次の通りです。
1つ目はPTとしての専門性を高めていくことです。
具体的には、PT協会の生涯教育制度などを利用しながら専門性を高めていく方法があります。
わたしも認定・専門理学療法士制度には興味があって取り組んでいるよ。
専門性を証明する資格を持っておくことで、知識や技術の可視化になりPTとして信頼してもらいやすいです。
その他、ケアマネ資格や住環境コーディネーターなどの資格を取得することで、幅広い知識の証明としても有効です。
2つ目は医療福祉業界・経済全体の動向を注視し、幅広い観点から自分の立ち位置を考えておくことです。
PTとしての専門的なスキルを身につけようと、日々勉強に取り組んでいる人は多いかと思います。
しかし、それだけでは井の中の蛙状態です。
今、PTの職域はどんどん拡大してきています。
など、多岐にわたる分野でPTの活躍が期待されています。
PTとしての社会に求められる分野についても注視しておく必要があるね。
3つ目は、職域を超えたスキルを身につけておくことです。
PTだから理学療法・リハビリテーションについての知識だけを勉強しておけばいいという考えは危険です。
おすすめは、日頃から小さいスキルをたくさん身に付けておくことです。
例えば、パソコンスキル、売り上げ計算、運営管理ノウハウなど身につけておけば、転職先や個人起業した時にも大きく役立ちます。
自分の可能性を広げるためにも日頃から周囲へアンテナを広げ、興味のあることにはどんどん挑戦しておきましょう。
今後もPTが主に活躍できる場は医療分野であることは変わりないでしょう。
しかし、新しい分野にも挑戦してみたい方には次の分野がおすすめです。
日本は高齢化社会を受け、介護予防を重視しながら対応を進めています。
高齢者の自立生活をサポートすることで、医師・看護師・コメディカルの人手不足を補おうとしています。
特にPTの需要が増えている分野が、訪問リハビリとデイサービスです。
訪問リハは、上手く働けば年収500万円以上を狙える、さらに自分に合った働き方を選ぶことが出来るおすすめの職場です。
訪問リハの働き方については、以下の記事で詳しく解説しているので参考にしてください。
現在、PTが活躍できる分野はどんどん開拓され需要が増えてきています。
具体的には、
PTとして病院や施設以外の分野で働いてみたいという方にはおすすめの分野です。
理学療法士から一般企業への転職については、以下の記事が参考になりますよ。
PTとしての専門スキルを活かして独立する人も増えてきています。
具体的には、訪問看護ステーションを開設したりフリーランスで働いているPTがいます。
また、ブログやYoutubeによる情報発信、webライター、セミナーなど活躍できる場は無限大です。
今回は、理学療法士業界の将来性について解説しました。
PTオワコンなんて言葉を見聞きすることもありますが、まだまだ活躍できる分野はたくさんあります!
これからもPTとして活躍していくためにも、業界全体の市場動向を知り、時代に合わせたスキルや専門性を身につけていくことが重要です。
そんな理由で転職を検討している方は、「理学療法士の転職サイトおすすめランキング7選」が参考になるのてぜひご覧くださいね。
最後まで読んでいただきありがとうございました。